腰痛患者さんの中には、医師にかかり「ぎっくり腰」と診断されたのではなく、患者自身が「突然腰が痛くなったので、ぎっくり腰」と決めつけ訴える患者さんが多く見られます。そこで今回は「ぎっくり腰」の正しい知識についてお話したいと思います。
先ず、ぎっくり腰には、なんでなるのか?といいますと、「ぎっくり腰」は、医学的には「急性腰痛」といいます。ぎっくり腰は1か月未満で自然に治ることがほとんどですが、場合によっては、1〜3か月かかる場合もあります。ぎっくり腰の原因として、筋肉や骨、背骨の周りの軟骨、椎間板のトラブルなどが考えられますが、画像検査を行っても映し出すことができないため、ほとんどの場合、原因が未だわかりません。椎間板ヘルニアや圧迫骨折などの病気による痛みを、ただのぎっくり腰と思って放置しておくと悪化してしまうこともありますので、まずは自己判断をするのではなく専門家に診てもらうことをお勧めします。
次に、ぎっくり腰を起こしやすい姿勢を述べますと、「前かがみの姿勢」や「前かがみで物を持ったとき」。例えば、顔を洗う時や、靴を履くときにも、前かがみの姿勢になるため、ぎっくり腰を起こしやすくなりますので注意が必要です。その他にも、ベッドから立ち上がるときに、急に腰をひねったりしたときや、くしゃみをして「急に姿勢を変えたとき」にも、ぎっくり腰が起こりやすくなります。
続いて、ぎっくり腰の痛みの経過についてお話しします。特にぎっくり腰に多い「痛みが1か月以内で完治する」ケ−スの経過は次の通りとなります。1)発症直後は・・・強い痛みに襲われます。2)発症2〜3日後は・・・痛みがかなりやわらぎます。3)発症1週間後になると・・・ずいぶん痛みは軽くなります。4)発症1か月以内で・・・ほとんど痛みは完治します。
次回は、これら「ぎっくり腰」発症後の痛みの各経過時における「早く治すための正しい対処法」について紹介したいと思います。
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