「ぎっくり腰の再発」を防ぐためには、先に述べた「日々の運動」が大切です。今回は、再発予防の運動について詳細にお話いたします。
ぎっくり腰の痛みは、通常、1週間程度でかなり改善し、日常生活も楽に過ごせるようになります。ところが、そこで安心していると、再発したり慢性の腰痛症へと進んでしまうことがあります。その最大の原因は「運動不足」です。特に中高年の場合には、加齢に伴い骨量が減り、腰椎・関節の変形などが進み、再発や慢性化を起こしやすい傾向がみられます。予防のためには、腰を支えるための筋力アップ運動や、筋肉や靭帯を柔軟にするストレッチ運動が最適です。
腰に負担をかけずに筋力をアップするには、水中ウォーキングなどのアクアサイズが適しています。自分で簡単にできる運動では、ウォーキングやスローピング運動によって、足腰を鍛える方法もあります。ウォーキングの場合は、いきなり大股で歩くと腰に負担がかかるので、当初は小股で速歩きをするようにします。腹筋と背筋の強化も、ぎっくり腰の予防につながります。水中・陸上どちらのウォーキングも強い運動は必要ありません。
なお「スローピング」とは、坂道や階段といったスロープ(傾斜地)を利用して、短時間で効率よく運動効果をあげる方法です。平地を歩くのと比較すると、坂道や階段の昇り降りは足腰の筋肉に大きな負荷がかかります。傾斜5度くらいのゆるやかな坂道でも、平地の2〜3倍もの運動強度になります。そのぶんウォーキングの効果に加え、下半身の筋肉をきたえる運動によって基礎代謝量を高めることもできるので、肥満の解消や生活習慣病の予防にも向いています。
またストレッチ運動は、ラジオ体操程度で十分です、筋肉をリラックスさせ、靭帯をゆっくり伸ばすつもりで、自分のペースでやるようにしましょう。
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