人類が直立歩行を初めてから約100万年。以来、腰痛は二本足で立って生活する人類の「宿命の苦痛」と言われています。
腰は体重の大部分を支えているので、どうしても他の箇所に比べ大きな負担がかかってしまいます。
何となく常に重苦しい痛みが持続するような慢性の腰痛の場合は、ほとんどが「腰痛症」が考えられますが、
腰が急に痛む腰痛(腰部の急性炎症による腰痛)になった場合は、
「ギックリ腰(筋筋膜性の腰痛)」や「椎間板ヘルニア」などが疑われます。
「腰痛症」は、姿勢が悪かったり立ち仕事や座り仕事など同じ姿勢を長時間続けていたり、クーラーで冷えたり、
運動不足や肥満などが原因で起こる症状です。これらによって引き起こされる腰痛は、
血液循環が悪くなり、筋肉がこわばって周囲の神経を圧迫することから起こります。
したがって、この慢性腰痛の時は、日頃から身体を軽く動かして血行を促し筋肉の懲りをほぐすことや、
また正しい姿勢を意識したり、腰を冷やさないようにする等の日常生活の注意が大切です、
併せて鍼灸治療を併用すると、より効果的です。
一方「ギックリ腰」や「椎間板ヘルニア」などの急性腰痛の場合には、決して無理をせず、すぐに横になり、
冷シップや濡れタオルなどで腰を冷やすことが大切です。急性腰痛はすぐに解消しませんので、
1〜2日は安静にすることが重要です。炎症を起こしているので、患部を温めたり、直後のお風呂は禁忌です。
また直接腰を揉んだりするとかえって痛みが増してしまいますので要注意です。
急性腰痛には、この救急対応に併用して鍼灸治療を遠隔刺激(患部の腰部から離れたツボ刺激)として
2つの腰腿点(手の甲にあり人さし指と中指の交わる前のくぼみ及び薬指と小指の交わる前のくぼみの2つのツボ)に行う方法が最も効果的と思います。
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