今回は、「逆子の施灸治療の留意点」についてお話します。
先ず、「至陰」と「三陰交」への「施灸の刺激量」が、「逆子治療」の大変「重要なポイント」となります。例えば「三陰交」への施灸は、刺激が強すぎない様に注意し弱めに治療した方が好ましく、つまり適刺激で行うと、「安産のツボ療法」になり効果的です。刺激が強すぎると、かえって逆効果になる可能性があります。
次に、ツボへの刺激方法ですが、左右「至陰」には、「長生灸(台座のある灸痕が残らない温灸)」を用います、その壮数は、最初は妊婦は熱く感じにくいので、除々に熱さを感じるまで適宜施灸の壮数をを増やしていきます。また左右「三陰交」への施灸は「灸頭鍼(刺鍼した鍼の頭につけた"もぐさ"に着火する灸痕が残らないお灸)」を使い、その壮数は1壮で、"もぐさ"が燃え尽きるまで行います。お灸は週1〜2回の治療パタ−ンが好ましいと思います。このように鍼灸治療をすることで、お母さんからお腹の赤ちゃんへの栄養の供給が盛んになり、赤ちゃんの発育・促進が見込まれます。逆子の治療は26週目から治療が可能です。赤ちゃんがお腹の中で動きやすい、28〜32週目までに始めることが理想的と思います。この時期に施術を開始することが出来れば、33〜35週以降に治療を始めたケースより明らかに回転率は高まると言われています。当院では、逆子の方に鍼灸治療をすると、かなりの高い確率で正常位になっています。その中には、1回の治療で正常な位置になった症例も診られます。
なお、逆子が修復された後も安産に向けて、引き続きお体の管理を担当させていただく事が可能です。鍼灸治療を継続し、健やかに出産に入れれば、ほとんどの方が安全且つ安心して分娩を終える傾向にあります。また遷延分娩のリスク軽減にもつながります。逆子(骨盤位)と診断されたら、すぐにお越しください。
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