坐骨神経痛の治療法には「保存療法」と「手術療法」があります。「保存療法」とは、手術以外の治療方法のことで種類も多様にあり、生活習慣やライフスタイルに合わせて行います。
「保存療法」には先ず、(1)物理療法。これには、@鍼灸療法、A低周波電気療法、B赤外線・マイクロ波・ホットパック等による温熱療法、Cマッサージ・指圧等の手技療法、D骨盤牽引(患部を引っ張る事で椎間板にかかる圧力を弱め、痛みを改善する方法)があり、これらは主に血液循環を良くし痛みを緩和する治療法てす。次に、(2)運動療法、@体操やストレッチにより、筋肉の緊張を和らげ血管を拡張し、血行を良くし、痛みを改善する治療法。徐々に運動の負荷を増やして行く事で、下肢に筋力がつき腰椎への負担が減ります。手術後のリハビリとしても行われます。続いて、(3)装具療法には、@コルセットなどで腰椎を支え、安定させる事で痛みを和らげる治療法。腹圧をあげ腰椎を固定し、良い姿勢を保つ効果があるのですが、長期間使用すると筋力が低下してしまうおそれがあるので、1ヶ月程度を目安に利用します。そして(4)薬物療法。これは鎮痛薬を使って痛みを和らげる治療法です。痛みが和らぐ事で気持ちが前向きになったり、活動的になれる事から、筋肉の低下を防ぐ事が期待できます。最後に(5)ブロック療法。局所麻酔や抗炎症剤を、主に神経ブロック点を中心に神経の周りや神経へ直接注入する治療法です。痛みの伝達物質を一時的に遮断する事で強い痛みが緩和するだけでなく、自律神経の緊張も和らぐため血行が良くなり、体内で作られた痛み物質の排出も促されます。
さて、来診患者さんには、整形外科での神経障害性疼痛に対する治療薬によって、もともとの症状に加え「ふらつき感・強い眠気」等の薬の副作用に悩んでいる方が多く診られます。そこで当院では、坐骨神経刺を基に鍼−鍼電極による低周波鍼通電療法と、赤外線・ホットパック等による温熱療法の併用療法を行ない、結果的には「ふらつき感・強い眠気」等の薬の副作用は消失し下肢の痛みや痺れも忘れるぐらいに軽減される効果が得られています。
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