「坐骨神経痛」とは、病名ではなく下肢にあらわれる症状の総称で、おしりから下肢にかけて痛みやしびれが続く状態をいいます。この坐骨神経は、坐骨を通りおしりの筋肉“梨状筋”(りじょうきん)を抜け足へ向かう末梢神経のひとつです。
つまり、末梢神経は脳と脊髄からなる中枢神経と体の各部を結び、体を自由に動かしたり、温度を感じたりする“伝導路”で、主に次の3つの神経から構成されています。@運動神経(脳から指令を送り、体の各部位を動かす神経)。A知覚神経(痛みや温度などの感覚を、皮膚、筋肉、関節を介して中枢に伝える神経)。B自律神経(意志とは無関係に、内臓、血管、腺などの機能を調整する神経)。私たちの下肢が自由に動かせたり、バランスよく歩く事が出来るのは、末梢神経である「坐骨神経」がしっかり働いてくれるおかげなのです。
次に、「坐骨神経はどこにあるか?」といいますと、“神経”というと、細いイメージがありますが、坐骨神経は末梢神経の中で一番太く、サイズはボールペンくらい、長さも1メートルと最も長いものになっています。この長い坐骨神経は、“ 総腓骨神経 ”(そうひこつしんけい)と、“ 脛骨神経 ”(けいこつしんけい)に分かれ腰椎から足の指まで伸びています。その為、何らかの原因でこの坐骨神経に問題が生じると、この神経の通り道でもある、おしりから下肢にかけて痛みが引き起こされるのです。
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